実体顕微鏡

 実体顕微鏡を購入しました。

 実体顕微鏡は、小学校の理科の時間で使い方を習う顕微鏡の一種です。
 小学校で使い方を習う顕微鏡と実体顕微鏡の違いは、比較的低倍率で、観察対象をプレパラートには挟まずに使う点です。
 シャーレ等の容器に入れた状態で観察したり、小さい生き物の解剖や、電子機器等の製造と言った精密な作業に使う様です。

 目が疲れにくく作業時に遠近感を掴み易い両目で見られる2眼や、2眼にカメラの取り付けマウントを加えた3眼が主流の様です。

 作業を行う為に、動作距離と呼ばれるレンズ表面から観察対象までの距離が、プレパラートを使う顕微鏡に比べてずっと広いのも、実態顕微鏡の最も大きな特徴です。

 私が実体顕微鏡を見たのは、随分前に、造幣局を取材したテレビのニュース番組で、硬貨の原型製作に用いられている物が初めてでした。それが実体顕微鏡と呼ばれる物であるのを知ったのは随分後の事でした。

 顕微鏡を使った模型作りは十数年前からネットで記事を見て知っていましたが、一般的な顕微鏡は、倍率が高い為に、見える範囲が狭く、レンズと観察対象迄の距離が短い事から、フィギュアだと1/35やそれよりも小さな作品に使う物でした。

 実体顕微鏡の場合、観察範囲が比較的広い為、1/6と言った比較的大きなフィギュア製作にも利用できます。

 実体顕微鏡は研究機関や企業での業務用での利用が殆どらしく、店頭で売られている市販品を見た事がありません。

 模型用ではスジボリ堂がパーフェクトアイズという商品名で数種類の実体顕微鏡を発売していますが、模型用品として高価な部類になる為か、スジボリ堂の製品を取り扱っているお店でも店頭販売されているのは見た事が無く、購入はネット通販等に頼るしかなさそうです。

 以前は、スジボリ堂 パーフェクトアイズD8の同等品、野沢製作所 NS-800を使っていました。
 接眼レンズは10倍で、対物レンズが0.8倍、都合8倍で見える実体顕微鏡です。

 高倍率の眼鏡やルーペとNS-800を比較すると、細かい分部が良く見え、観察対象とレンズの間に作業に必要な距離が取れます。
 視野の狭さと、フレキシブルシャフトによる鏡体保持が、私には使い勝手が悪く、使うのが億劫になり、最終的には手放しました。

 NS-800は手放してしまった物の、ガレージキットフィギュアを製作する、ビルダーやフィニッシャーと呼ばれる方が、実体顕微鏡を活用していると言う、ツイッターの投稿や、ネット記事を何度も目にしていたので、

「探せば自分に使いやすい実体顕微鏡も有るかもしれない」

と、2021年11月中旬頃から自分なり調べてみて、2021年11月下旬に実体顕微鏡の中古品をヤフオクで落札してみました。

 ヤフオクを通じて購入したのはオリンパスSZ4045と言う機種です。
 20年位前の製品の様です。
 外装はやや黄ばんでいますか、レンズや各部の可動に問題はないので、実用上の問題は無さそうです。

 0.67~4倍のズーム機能により、10倍の接眼レンズを取り付けた場合は6.7~40倍として、0.5倍の対物補助レンズを取り付ければ3.35~20倍として機能します。

 ズーム時はピントがずれるので、ズームの度にピント調整をする必要はあるものの、ズーム機能は非常に便利です。

 実体顕微鏡でも、デジタルカメラみたいにオートフォーカスや動作距離が自由に変更出来る機能があれば良いのですが、構造的に難しそうですね。

 SZ4045には、差し込み口径30mmで視野数20、10倍の接眼レンズが取り付けられていました。
 視野数とは何mmの範囲が見えるかと言う指標で接眼レンズの種類によって異なります。
 10×20の接眼レンズであれば、10倍時に直径20mmの範囲を見る事が出来ると言う事になります。
 SZ4045のズーム機能の0.67倍と合わせた、6.7倍時には計算上、直径29.85mmの範囲を見る事が出来る様です。

 届いた状態でも視界はNS-800と比べ物にならない程広く、アジャスター付きマウントで高さの微調整によるピント合わせも楽で、レンズも明るくリングライト等の照明は不要でした。
 レンズの表面から観察対象までの距離はおおよそ10cmくらです。
 1/6スケールのフィギュアくらいまでならそのままでも十分な性能でした。

 1/3のドールヘッドには視野が狭いので、オリンパス純正の0.5倍の対物補助レンズを試してみました。
 対物補助レンズの取付は48mmネジです。
 多くのメーカーの実態顕微鏡用対物補助レンズやリングライトマウントも48mmネジなので、相互に互換性があります。

 視野数20の接眼レンズと、0.5倍の対物補助レンズを取り付けた、SZ4045の最大視野は直径59.7mmとなります。

 顕微鏡を覗いた時の写真が撮影できないのは残念ですが、1/3ドールヘッドのおでこから顎までが視界に入り、メイクによっては眉毛が視界に収められないとかも言う感じで、実用には問題無い気もしますが、個人的にはもう一歩と言う感じです。

 もう少し視界が広くなればと思い、視野数がより大きな接眼レンズか、倍率がより低い対物補助レンズの購入を検討中です。

 純正品とは別に、48mmネジに対応した汎用品の対物補助レンズとリングライトマウントをAliExpressの海外通販で購入してみました。
 アマゾンで売られている物と同じ物だと思います。

 0.7倍の対物補助レンズを使うと、1/6程度のフィギュアの顔が全て視野収まり、丁度良い感じでした。

 汎用品の0.5倍対物補助レンズの動作距離はWD165の表記通りおおよそ165mmとオリンパス純正品の110AL0.5 WD200よりも短くなっています。

 SZ4045に付属していた架台の、鏡体(実体顕微鏡本体)を保持するアジャスター部分や、アーム分部はオリンパス純正品オプションの様です。
 架台には銘板の様な物は見当たらなかったので、純正品なのか、社外品なのかは分かりません。

 架台はそのままでは使い辛く感じたので、対応する汎用部品を取り寄せ中です。

 今回購入したSZ4045は、発売当時は一式で30万円くらいする物らしいのですが、オリンパスの現行製品SZ-61(仕様で判断する限り、機能的にはSZ4045と変わらない)は、安い所だと一式13万円位からで買える様なので、実売価格はもっと安かったのかも知れません。
 ただ、SZ-61の13円程度でも、趣味の模型や工作に使うには高額です。

 国内メーカーよりもずっと安価な、海外メーカーの製品も売られています。
 野沢製作所NS-8000も中国製の様だったので、SZ4045と性能が近い中国製の製品も問題無く使える様に思えます。
 
 ズーム式では無く固定倍率の物であれば、1万円台でアマゾンで売られています。
 SZ-4045同様の、ズーム対応品になると一気に値段が跳ね上がり、国内メーカーの中古品の方が安い事も少なくないと思います。

 予算や好みに応じて選ぶと良いと思います。

 今回購入した中古の実体顕微鏡 オリンパスSZ4045は、以前使っていた野沢製作所NS-800よりも値段が高く、場所も取りますが、使いやすさや性能は別次元だったので、非常に満足しています。

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