ColosoのミロさんとタカトリさんのZBrush向け講座を受講した

 Colosoで行われていたZBrush向けのミロさんとタカトリさんが講師を務める2つの講座を受講したので、その体験記です。
 上はColosoのサイトのミロさんとタカトリさんの講座紹介のページのスクリーンキャプチャー画像です。

Colosoとは

 Coloso(コロソ)は動画配信による通信講座で、イラストが中心ですが、CGや造形、料理など様々な分野の講座を提供しています。

 語感が悪いのは元々は外国でスタートしたサービスなせいだと思います。

今回Colosoで受講した講座の対象者

 私自身は、ZBrushを独学でフィギュア制作に使い始めたのは2014年からで、ZBrushを使ったフィギュア制作に関わる仕事の経験もあるので、ZBrushのフィギュア制作に関しては全くの初心者と言う訳ではないので、その点は差し引いて読んで頂ければと思います。
 2024年 Nimbus ポートフォリオで私の2018年からの作品を紹介しています。

 今回受講したどちらの講座も、ZBrushの作業画面で講師が解説してフィギュアを造形する方法を紹介する動画となっています。
 ZBrushの操作方法は詳しく紹介していないので、ZBrushの使い方自体は各自で習得しておく必要があります。
 なので、ZBrushで幾つか造形物を作った事のある人が対象だと思います。

 ZBrushは元々イメージボード等を描く為のお絵かきソフトとして作られ、3Dモテセリング機能はお絵描きの素材作りの為の機能として搭載されていました。
 ソフトの成り立ちからZBrushのUIや操作方法は独特な物となっているので、他の3DCG製作ソフトとの違いが大きく、ZBrushで造形出来るまでに覚えないとならない事が多い事が習得のハードルとなっています。
 ZBrushでフィギュア制作うに地道な学習でZBrushの操作や基本的な機能の習得が必要となります。

 ZBrushを一切使った事が無い人が、ZBrushの使い方を独学で学ぶ物としては「ZBrushでのフィギュアのデジタルモデリングで参考にした出版物」の記事でも紹介している、Blestar ZBrushベーシック( https://amzn.to/4nFqzJ4 )以上の物を私は知りません。
 ZBrushベーシックの収録時のZBrushのバージョンはZBrush4R4で、ZRemesherがQメッシュと呼ばれていたりしますが、ZBrush4R7で追加されたZModelerブラシや、ZBrush4R8で追加されたギズモ3Dと言った重要な機能はYoutubeのBlesterのチャンルネルの動画で補足解説が行われていています。
 ZBrush4R4と2022や2023、最新版の2025とでは、UIは大きく変わっていないので、戸惑う事は無いと思います。
 ZBrushベーシックの収録時間は18時間と長めですが、ZBrushの機能を体系的に解説するにはその程度の時間はどうしても必要と言う事です。
 ZBrushベーシックを最初から最後まで3回繰り返して見ればZBrushが体系的に理解できると思います。
 ZBrushベーシックの収録時には無かった新機能も、体系的な理解があれば、比較的楽に覚えて使える様になると思います。

 ZBrushの作業画面ででフィギュア制作作業を解説付きで紹介する動画としては、ZBrushの開発、販売元がYoutubeで不定期に配信している、榊馨さんのライブ動画、「Sakaki Kaoru – 3Dプリント用キャラクターの作り方」があり、素体作りから、3Dプリンターで出力出来るデータまで、すべての工程を取り上げてはいます
 視聴者の質問の解答をしたりと作品製作だけ集中して行っている訳では無いのと、一度の配信が3時間くらいと長いのに、作業内容毎に区切ったりと言った編集はされておらず、体系的に技法を紹介してもいないので、ZBrushでのフィギュア制作を経験した中級者以上向けだと思います。
 アズールレーンに登場するプリンツオイゲン水着、ディフォルメキャラのチアガール、セーラー服の少女の制作を最初から最後まで解説しているので、Colosoの講座を受講してZBrushを使ったフィギュア制作を体系的に学ん後に見るととても参考になると思います。

 前置きはながくなりましたが、ここからは各講座の紹介と受講した感想です。

キャラクターの魅力を立体として引き出す造形テクニック

 最初に受講したのは、ミロさんが講師を務める「キャラクターの魅力を立体として引き出す造形テクニック」です。

 ミロさんが原型を手掛けられたウマ娘プリティーリーグのマンハッタンカフェのガレージキットを模型イベントで購入した事があり、ミロさんを以前から知っていたので、Xでの告知を見て興味を持ったのと、30%割引券が当たったので受講しました。

 Colosoの講座動画はブラウザーによるストリーミング配信で提供されます。その為、受講にはネット環境が必須です。
 上のYoutbe動画は講座のお試し動画です。

 私が受講したZBrush向けの講座の場合、先にも述べた通り、ZBrushの作業画面の動画に講師の解説を加えて、作例の製作通してフィギュア原型データの制作技法を体系的に紹介しています。

 一つ一つの動画は30分を基準に区切られていますが、長時間、連続で視聴していると、視聴中にログインが切れて講座の視聴が中断されたり、講座の視聴記録が残らなかったりしたのはちょっとしたストレスでした。
 どちらの講座も全ての講座の動画を視聴したのですが、ミロさんの講座は20%が視聴した扱いになっていなくて、進捗が80%になっています。

 講座での作例は2体で、1体目、初級編の作例はディフォルメキャラの「まめひなた」です。

 2体目の作例はアズールレーンの「レーゲンスブルク 闇龍の倉庫ダンジョン」です。

 レーゲンスブルクは私がゲームで使用しているキャラクターで、作例は衣装違いでした。

 ミロさんが講座で使用していたZBrushのバージョンは、サブスクリプション版で講座収録時の最新バージョンの様でした。
 ZBrush2023以降の便利な機能も使用されているので、その点は留意する必要が有ります。

 講座の動画では、全ての製作工程を収録していて、講座全体はとても長い動画になっています。
 モチーフが良く知った物だったのもあって、視聴時間の長さは気にならず、全ての講座動画を視聴できました。

 講座の動画の内容をどこまで紹介して良いのかは分からないので、私が受けた印象はだけを述べると、ミロさんの講座はスカルプトで形を出して行く彫像を作る様な造形手法を中心に紹介していました。
 機械的な造形物にはローポリモデリングを使用されていました。

 ある程度スカルプトで形を出したら、編集がし易い様にリトポロジー作業を行って、曲面細分割を行ってからスカルプトで造形を加えていくのが一般的な方法だと思いますが、ミロさんの講座でのリトポはZRemesherを使用されていました。

 ZBrushにZRemesherの機能が実装された時は、筒形の物を螺旋状のトポロジーを生成したりと、リトポツールとしては使い物にはならない感じだったので、私は他の機能でリトポを行いZRemesherは全然使っていなかったのですが、今のZRemesherは実用に耐える素直なトポロジーが生成される様に改良されていました。

キャラクターの特徴を把握し魅力を高める造形アプローチ

 受講した2つ目の講座は、タカトリさんが講師を務める「キャラクターの特徴を把握し魅力を高める造形アプローチ」です。

 ワンダーフェスティバル2025{夏}で、タカトリさんが主宰するディーラー、フジヤマサンカクで、ブルーアーカイブのニヤニヤ教授のキットを買っていたので、受講したいと思っていましまた。

 ColosoがXで無料受講券が抽選で当るキャンペーンが行われていたので、応募ポストを行った所、無料受講券が当選したので受講しました。

 当選した場合DMで2025年8月12日中に案内があるとなっていましたが、実際には13日の午前中に当選を知らせるDMが届いていました。
 12日は山の日の振替休日だったので、募集時はそれを考慮していなかったのかもしれません。

 タカトリさんの講座も、2体の作例で製作方法を紹介されていて、1体目の比較的簡単な作例のモチーフは笠さんのオリジナルキャラクターです。

 2体目の難易度が高い方の作例は、ブルーアーカイブの伊落マリー(アイドル)です。

 伊落マリーはゲーム中のイベントで主役を務め,私自身もゲームで使用している良く知ったキャラでした。

 タカトリさんが講座で使用しているZBrushのバージョンはユーザーが最も多いと思われる2022です。

 タカトリさんが講座で紹介されていた製作方法はミロさんと比較すると、ローポリからのモデリングを多用されていて、私がZBrushで行っている製作方法に比較的近い物でした。

 ポージングにはトランスポーズマスターを使用されていました。
 ギズモ3Dて複数のSubToolが制御出来る様になってからは、私はトランスポーズマスターを使わなくなりましたが、トランスポーズマスターには処理速度の速さや、制御のし易さ等の利点がある様です。

 タカトリさんの講座でも、リトポはミロさん同様にZRemesherを活用されていました。

 製作工程全体は長時間になるため、講座では抜粋する形で製作方法を紹介しています。
 個人的に興味があった部分の製作が既に紹介していた手法と言う事で動画では省略されていたのは残念でしたが、作例の製作に用いる手法は全て紹介されています。

 講座で多用されているZModelerブラシのエッジアクション、Close HoleのConvex Holeは最下段の選択肢のPolygon Flatを指定すると、互い違いではなく1つのボリグループで穴埋めできます。

終わりに総評

 ミロさんが講師を務める「キャラクターの魅力を立体として引き出す造形テクニック」、タカトリさんが講師を務める「キャラクターの特徴を把握し魅力を高める造形アプローチ」、いずれの講座も2つの作品の製作工程を、通して紹介していて、製作の流れや具体的な手法を、書籍で独学するよりも、効率的に学べると思います。

 どちらの講座も私にとっての未知の手法や機能は紹介されていませんでしたが、普段私が使わない手法や機能の活用方法を紹介していたり、細かい設定を知れたりと、参考になる事は多々ありました。

 お二方の制作方法と比較して、私の行っている制作方法がそれほど見当外れな物では無い事が確認出来たのが、一番の収穫でした。
 上の画像は私か製作している途中のエレナ・ブラヴァツキーのアイドル霊衣です。

 Colosoの受講費用は安い物ではないので、どちらか1つを選んで受講する場合は、使用しているZBrushのバージョンや、作例、講師の好みで選んで良いと思います。

 ZBrushでフィギュア制作ができるまでには、機材やソフトを揃えたり、ZBrushの習得をしたりと、ハードルは低くはないですが、講座の動画を見て作例を自分でも作る手順を踏めば、フィギュアの制作方法は習得できると思います。

 スカルプトの様に肉体的要素が強く習熟の必要な作業を直ぐに真似るのは難しいと思いますし、造形力は何かをしたらすぐに向上する様な類の物ではないので、一作や二作では大きく変わるのは無理かも知れませんが、講座で紹介している手法を真似て、製作数を重ねて行く事で、造形力は向上して行くと思います。

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