Formlabs Form3を使った感想

 どうもNimbusです。

 ワンダーフェスティバル2023[冬]は無事に終了しました。

 SB4黒鈴小径が次回参加する模型イベントはトレジャーフェスタ・オンライン10です。 

  ワンダーフェスティバル2023[冬]では、サイズの大きさからアルクェイド・ブリュンスタッドの展示を行いませんでしたが、トレジャーフェスタ・オンライン10では販売申請しているので、準備が間に合えば販売する予定です。

 アルクェイド・ブリュンスタッドの原型製作には昨年中古購入したFormlabs Form3を実戦投入しました。

 今回の記事はForm3を使った感想をそれまで使っていた先代モデルのForm2と比較して述べています。

 アルクェイドの部品をForm3で出力していた時には、写真を撮影する余裕がありませんでした。

Form3の操作性

 Form3の操作は全てタッチパネルとなりました。
 Form3のタッチパネルの操作性はForm2のタッチバネルに比べて大幅に改善されていました。

 Form2のタッチパネルはFormlabsから届いた時から反応が悪く、たまに無反応になり再起動が必要になる事もありましたが、不良や故障では無く仕様との事でした。
 Form2のタッチパネルは使用頻度は高くないので、実用上はそれ程困らない物の、操作性の悪さにはストレスを感じていました。
 Form3のタッチパネルは反応が良く再起動が必要になった事も無いので、Form2のタッチパネルの様なストレスはありません。

Form3の出力時間

 Form3の出力時間はForm2と大差ない様に感じました。

 Form2はPreForm(専用ソフト)で予測された出力時間よりも、実際の出力時間の方が長くなる事が多かったのに対して、Form3の場合は予定時間よりも短く済む様です。

 液晶パネルを用いた、比較的安価な光造形機の方が、出力時間は短くて済むと思います。

Form3の出力品の品質

 Form3の出力品はForm2に比べて差は大きく無く、難点はあるものの、全体的な出力品質は向上している様に感じました。

 Form3は表面の平滑さはForm2よりも良くなっている様に感じました。
 Form3の出力品でも積層跡が出やすい所には出るので、出力品の個体差や気のせいかもしれません。

 原因は良く分からないのですが、レーザーモジュールが移動する横方向に真っすぐ、積層跡よりもくっきりとした、溝状の線が出力品に入る事がありました。
 線の方向的にレーザーを照射する部分の問題の様に思えたものの、目視では汚れや破損は確認出来ませんでした。
 線が常に同じ場所に入る訳でもないので、制御などのソフト的な問題かもしれません。
 溝状の線はそのままではかなり目立つのですが、積層跡と一緒に対処できる程度の物なので、自分にとってはそれ程大きな問題でありませんでした。

 Form3出力品の、部品を支えるサポート部分はForm2出力品に比べると、手で強引にもぎっても部品側が欠けにくい構造になっています。
 Form2までの出力品は、ニッパーで慎重にサポートの接合部分を一つ一つ切らないと、部品側が欠けてしまう難点があったのですが、Form3だとサポート側が少し残るので、繊細な部品以外は気楽にサポートをもぎ取れます。

 Form2程ではないにしても、Form3でも出力品のサポート側には歪みが出るのと、全体もデータに対し出力品は微妙に歪むので、小さいパーツだと問題にならなくても、アルクェイドのスカートの様に大きなパーツだとパーツ同士がパチピタとはなりません。もっとも、部品の歪みは樹脂部品全般に起こる事なので、Form3だらかと言う話ではない様に思います。

Form3の出力成功率

 出力回数は10回にも満たないで参考にはならないかも知れませんが、アルクェイドの原型部品を出力する際には、前述の通り溝状の線が入る事がある難点はあるものの、致命的な出力の失敗は一つもなく、100%確実に出力してくれています。

Form3の出力コスト

 出力コストはForm2に比べてどうなのかは、現状では判断付きません。

 Form3に使うレジンカートリッジはForm2に使う物と共用です。
 度重なる値上げで発売開始当初は20,680円だったスタンダードレジンカートリッジが、26,180円になっています。

 Form3に使うレジンタンクV2.1はForm2用のレジンタンクTLに比べると高価ではあるのですが、レジンタンクV2.1はスタンダードレジン使用時での使用量や使用期間の指定が無いので、どの程度使えば交換しないとならないのかは皆目見当もつきません。
 レジンタンクにレジンを投入してからの使用期間や、使用できるレジンカートリッジの数が明示されている、グレイプロレジンよりは長く使えるのだとは思います。

 Form3を購入する前は、Form3のレジンタンクの底が破れでレジンがForm3の本体内に漏れ出る事を心配していましたが、Form3はForm2までと構造が異なり、レーザーユニットは出力時以外はレジンタンクの下からは退避しているのと、レーザーユニットが退避している場合レジンが付着して壊れそうな物が無いので、レジンタンクが破損してレジンの漏れが起こっても、レジンタンクの交換とレジンの拭き取りですぐに使用できそうな感じでした。

Form3の動作音

 Form3はレーザーユニットが左右に動く為、Form2にはない小さな振動はありますが、音はForm2よりも小さい様に感じました。

Form3の総評

 Form3はForm2よりも確実に進歩していましたが、出力品の品質には大きな差は感じられませんでした。
 Form2の修理用部品の供給は2023年内は確実に継続される様なので、2023年2月時点では、Form2が普通に使えているのであれば無理してForm3に買い替える程の差は無い様に思えます。

 私が購入した中古品のForm3は安価だったので十分満足しているのですが、新品のForm3は個人が購入するには高価な部類ですし、安価な中古品はリスクが高いので、新たに光造形機や3Dプリンター買って試したい場合は、実売価格がForm3の1/10以下のElegoo Saturn2が良さそうです。
 Satrun2はForm3に比べると、レジンの自動投入や出力エリアを保温する機能が無かったり、レジンによっては臭いが強く換気が必要だったりと、色々と手間や面倒はあるみたいですが、光造形機で出力に必要な物を一通り揃えても、上手く買い物をすれば、10万円程度に収まると思います。
 Saturn2はElegooの光造形機の中でも、相当売れている人気機種の様で、 消耗品や補修部品は安価に安定して供給されると思います。又、Form2やForm3同様に、現役の商業原型師がワンフェス等で販売するガレージキットの原型製作にSaturn2を使っている様です。

 私の場合、Satrun2 の購入を検討していた時にForm3の中古品の出物があったので、Form3を購入しましたが、Satrun2はForm3では出力できない大きさや長さで出力できるので、遠くない近い将来にSatrun2を入手したいと考えています。

2件のピンバック

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