OculusQuest2で3DCGをVR表示するのにはUE4が良い
先日は3Dプリンターで出力するモデルの形状確認用に、Oculus Quest2で使える、Adbe Mediumを紹介しました。
VRゴーグルの様に、視差を利用した立体視は、個人差が大きい様で、人によっては通常のディスプレイに表示された物と印象が変わらない事もあるそうですが、私にとっては普通のディスプレイで表示するのとは全く異なり、Oculus Quest2とAdbe Mediumの組合せは、出力品と同様に形状を把握でき、造形途中での形状検討にはとても有効です。
OBJファイルをVR表示して任意の角度から見るだけであれば、Adbe Medium以外でも出来るのではないかと思い、思案した所、Blenderや、Unityのエディター、Unreal Engine4(以下UE4)のエディターでもOculus Quest2でのVR表示が可能でした。
Blneder、Unity、EU4を使ったVR表示は、何れもAdbe Mediumでは出来なかったテクスチャー付きのモデルが表示出来、スケールも揃えられ、任意のライティングが行えます。
パソコンを使ったPC VRであれば、Oculus製品でなくても、SteamVR等でVRゴーグルの機種を問わず汎用的に使えるので、近々販売される予定の、様々なメーカーの製品でも利用できそうなのも良いですね。
それでは各ソフトでのVR表示を軽く紹介して行きます。
誰でも無償で利用できるBlenderは、OpneXRを利用したVR表示に対応しています。
BlenderでのOculus Quest2でのVR表示はこのYoutubeに投稿されている動画を参考にしました。
現状のBlenderのVR表示機能は、表示するまでは簡単なものの、VRゴーグルを装着したまま歩く以外の方法で自由に視点移動する方法が分からず、使い易いとは言い難いのですが、VRゴーグルを装着したままで、コントローラー等を使って、自由に視点を移動できる様になれば、Adbe Mediumに取って変われる様に感じました。
小規模事業者やアマチュアであれば無償で利用できるゲームエンジン、UnityとUE4のエディターをを試してみた所、どちらもBlender同様にVR表示が可能で、どちらもコントローラーでの視点移動が可能でした。
Unityのエディター画面と、VR表示モードのOculus Quest2でのスクリーンショット
Oculus Quest2では中央部分が自然に表示されます。
以前のバージョンのUnityは6万ポリゴンくらいまでのオブジェクトしか扱えなかったのですが、現行バージョンのUnityだと、50万頂点のOBJファイルでも難なく表示出来ます。
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Unityの使い方の参考になります。
UE4のエディターは今回使った中では最も優れていました。
UE4はVR表示中に、Oculusのコントローラでオブジェクトの移動、回転、拡大縮小が行え、Unityよりも自由にモデルを観察できます。Oculus Quest2での表示は、鮮明で、質感も高い物でした。
Adbe Mediumで感じていた不満点はUE4で概ね解消出来ました。
3DCGモデルの形状確認でAdbe Mediumを使う為にOculus Quest2を購入して、高性能なデスクトップパソコンがあるのなら、2021年5月時点ではUE4のエディターが最もお薦めです。
Unity、UE4共に、細かくは検証していませんが、色々試してみた感じでは、インポートするメッシュは50万頂点程度までが良さそうです。
表面の流れみたいに、形状を確認するだけであれば、もっとポリゴン数を減らしても構わないでしょう。
UE4では200万頂点のOBJファイルのインポートも出来ましたが、VRで視点を動かしている時に表示がおかしくなります。
300万頂点のモデルはUE4でのインポートに失敗しました。
UE4で対応しているファイルはOBJとFBXです。
無償配布されているZBrush用のテクスチャー付きスキャンデータを使ってテストしてみました。
本来サブディビジョンレベルは5まであったのですが、700万頂点だったので、50万頂点で収まる3より上のレベルは削除しました。
ZPluginのFBX Exporterを使い、FBX形式を書き出しました。
書き出しには少し時間が掛かります。
ZBrushで書き出したFBX形式のデータををUE4でインポートしてみました。
UE4での読み込みには、ZBrushでの書き出し同様に時間は掛かりましたが、問題無くVR表示出来ました。
UE4でインポートする場合、極端に小さなポリゴンは欠けてしまいます。
FBXを書き出すソフトの側でエクスポート時の倍率を調整しておくと、ポリゴン欠けが防げる様です。
UE4でのライティングを試している様子です。
ライトを多く設置すると、高確率で、VR表示の時に右目側の下の画像が歪む事があります。
ライトを少なくすると確率は下がるのですが、同様に右目側の下の画像が歪む事がありました。
全くそうならない時にもあるので、CPUがCore i9 9900K、RAM 64GB、グラフィックカード GeFroce GTX 1080 Tiでも性能がまだ不足しているのか、表示しているオブジェクトがUE4で扱える限界を超えているのか、UE4に不具合があるのかは不明です。
UE4ではコンセプトカーの展示会場みたいな屋内ステージのテンプレートを使っています。
車や、注意書き、電球色のライトなどの不要な物を削除しただけです。
UE4に不満が無い訳でなく、VR表示を終了した際に、エディターのビューポートウインドーの視点がVRと連動してしまう事ですね。
手順によっては視点を開始時のままの場合もあります。
PlayStartアクタを選択して、右クリックから「ビューを選択オプシェクトにスナップ」を選択すれば、PlayStartアクスタで設定した視点にビューボードの視点を常に同じ位置にする事が可能です。
この方法も割と面倒なので、VRモードに入る前と後とでのビューポートの視点位置は、常に維持して欲しいですね。
製作中の3Dプリンター向けのフィギュアデータの形状確認はUE4のエディターがMedium以上に使える事が分かりました。
ただ、ポリペイントやテクスチャーで色を塗ったモデルをZBrushからUE4へインポートするのは、手間も時間も掛かるので、プラグインか何かでZBrushがPC VRの立体表示に対応してくれるのが理想ですね。
UE4のVR表示の検証には、ワンダーフェスティバル2019夏向けに作った美遊(魔法少女)のレジンキャストキット原型用データを元に、UE4表示用に加工したものです。
美遊(魔法少女)のレジンキャストキットは、トレジャーフェスタ・オンライン4でも販売する予定です。
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