HDMIキャプチャー IO DATA GV-USB3/HD

 アイ・オー・データ GV-USB3/HDを購入しました。
 USB3.0で接続する、HDMIキャプチャーデバイスです。

 ドールヘッドを真上から撮影して、Clip Studio Paint上で睫毛や眉毛、アイのデザインを検討して図案を描き、ドールヘッドに眉毛と睫毛の図案を重ねて、下描きしたいと考えています。

 ドールヘッドに図案を重ねる方法としてはプロジェクターで投影する方法もあります。

 プロジェクターで投影した画像を元に下描きを行うのは、オーソドックスな方法ですが、デジタルカメラで捉えた映像をパソコン上で表示して、透過画像を重ね合わせた方が、高精度の様に思えます。

 下描きに使う以外にも、デジタルカメラで捉えた映像をパソコン画面で拡大表示すれば、デジタル拡大鏡の様な使い方も出来るのではないかと考えていました。

 カメラで捉えた映像を見ながら作業する場合、カメラが捉えた映像を画面に表示するまでの遅延(タイムラグ)、が無視できない問題となります。

 実感する機会が無いだけで、人が物を見てから認識して反応できるまでにも遅延は存在する筈なので、慣れれば何とかなりそうな気もしますが、慣れるまでが大変なので、遅延は可能な限り小さい方が良さそうです。

 上の画像は以前このブログでも紹介してYoutubeに動画も投稿しているEOS Kiss X10iと、EOS Kiss X10iユーザーであれば無償で利用できる、パソコン用ソフト、EOS Utilityのリモートライブビュー機能を利用している様子です。
 EOS Utilityは、利用するパソコンの処理速度が遅いと大きな遅延が発生します。
 EOS UtilityはUSB2.0を利用するので、それも遅延の原因となってそうです。

 遅延の少ないとされるHDMIキャプチャーであれば、遅延を小さくできるのではないかと考えました。

 以前は、HDMIキャプチャー機器としては遅延が最も小さいとされ、PCI-Eスロットに取り付ける内蔵型のAVerMedia Live Gamer HD Lite C985Lを利用していたのですが、現在は、内蔵型のHDMIキャプチャーカードは、様々な理由から利用出来ないので、今回はUSB3.0による外付けのHDMIキャプチャーボード GV-USB3/HDを導入してみました。

  AVerMedia Live Gamer HD Lite C985Lを購入した時点では、USBポートに取り付けるHDMIキャプチャーデバイスはUSB2.0に対応した製品が中心で、キャプチャーした映像の表示には大きな遅延があるのが普通でした。現在販売されている、USB3.0に対応する製品であれば遅延は改善された様で、Youtubeでの検証動画等では、GV-USB3/HDだとOBS Studioでの表示とパススルー出力表示との差は0.08秒程度との事でした。

 USB3.0に対応するキャプチャーデバイスで低遅延を売りにしているEltato HD60 SでもOBS Studioとパススルー表示の差は0.1秒程度の様なので、GV-USB3/HD遅延の少なさはUSB接続のHDMIキャプチャーデバイスとしては特筆に値する様です。

 内蔵型のAVerMedia Live Gamer HD Lite C985Lの上位機に当るAVerMedia Live Gamer HD 2 C988でキャプチャー映像出力とパススール出力表示との差の検証した動画でも、遅延は0.06秒とされているので、GV-USB3/HDは内蔵型で最も遅延の小さなHDMIキャプチャーボードには一歩及ばないものの充分遅延の小さなHDMIキャプチャー機器と言えると思います。

 遅延が比較的小さく、国名メーカー品と言う事から、GV-USB3/HDの購入を検討していた所に、比較的安価な中古品の出物があり、それを購入しました。

 GV-USB3/HDの価格は、購入を検討し始める少し前となる、2021年11月下旬から値下がりを始めていて、アマゾンだと新品では13,000円前後、中古品だと1万円前後となっています。

 事前にOBS StudioをインストールしておいたWindows10パソコンにGV-USB3/HDを接続した所、認識しませんでした。
 当初はGV-USB3/HDの初期不良も疑ったのですが、GV-USB3/HDをWindows10のパソコンで使うにはドライバーをインストールする必要があっただけでした。
 ドライバーをインストールする為のソフトはアイ・オー・データのサイトからダウンロード出来ました。

 スマホのストップウォッチ機能を使って、遅延を計測してみました。

 EOS Kiss X10iのHDMI出力をGV-USB3/HDで取り込んでOBS Studioで表示した場合の遅延はおおよそ0.27秒でした。

 EOS Kiss X10iをHDMIケーブルでディスプレイに接続して表示した時の遅延は0.16秒でした。
 計測誤差も有るとは思いますが、EOS Kiss X10iがHDMI出力するまでの遅延が大きい事が伺えます。

 EOS Utilityのリモートライブビュー機能での遅延は0.28秒でした。

 計測誤差もあるので、EOS Kiss X10iのEOS Utilityでのリモートライブビュー表示と、EOS Kiss X10iのHDMI出力をGV-USB3/HDで取り込んでOBS Studioで表示した場合とでは、人が体感できる様な差は無さそうです。

 OBS StudioにEOS WebCam UtilityでEOS Kiss X10iの映像を表示した場合も、0.25~0.3秒とこちらも大きな差はありませんでした。
 EOS WebCam Utilityは映像の解像度が低いのが難点ですね。

 EOS Utilityのリモートライブビューや、EOS WebCamはパソコンの処理速度によって遅延が大きく異なる様なので、処理速度の速い高性能なパソコンであれば遅延は小さくなるかもしれません。
 検証に使ったパソコンは、CPUにCore i7 8700Kを、グラフィックボードにGeForce GTX 108を搭載したMiniITXフォームファクターの自作機です。

 EOS Utilityのリモートライブビューは、パソコンの性能によって遅延の度合いが変わる以外にも、ライブビュー画面の表示に制約があり、任意の倍率での拡大や、フルスクリーン表示には対応してない難点が有ります。
 GV-USB3/HDOBS Studioを使ったEOS Kiss X10iのHDMI出力の表示は、EOS Utilityでは出来なかった、任意の倍率やフルスクリーンでの表示が可能となったので、これだけでもGV-USB3/HDを買った甲斐はありました。
 HDMI出力が可能なカメラであれば種類を問わず使える様になった事も大きな利点です。

 OBS Studioでは画面の回転や任意の拡大表示も可能です。
 画面の回転表示や拡大表示はEOS Utilityでも可能ですが、フルスクリーンや任意の拡大倍率での表示が出来るのは大きな差です。

 回転表示が可能だと、この様な使い方も可能となります。
 AVerMedia Live Gamer HD Lite C985Lの付属ソフトでは、やり方が有ったのかもしれませんか、自分なりに調べた範囲では回転表示を行えなかったので、OBS Studioで簡単に回転表示が出来た時には感動しました。

 AVerMedia Live Gamer HD Lite C985Lの付属ソフトで表示したり、HDMI出力を直接モニターで表示したりする場合は、回転表示が出来ないので、ブラケットの組合せでカメラ側を逆に取り付ていました。
 しっかり固定出来て、安定はしていましたが、面倒臭さは拭えません。

 EOS Kiss X10iよりもHDMI出力の遅延が小さいデジタルカメラを使えば、遅延は縮小する様に思えるので、HDMI出力の遅延が小さいデジタルカメラが有るなら、是非使ってみたいと考えています。

 HDMIキャプチャーデバイスは性能が良くても安定して動作しない物も少なくないのですが、購入前にレビューを見て回った感じではGV-USB3/HDの動作の安定性に関しては否定的な意見は見受けられませんでした。
 購入した物をOBS Studioで表示した状態で3日くらい放置しても、問題無く動作していて、発熱もほぼなく、安心して使える印象でした。
 縦型設置が可能なので放熱に有利とされていますが、放熱に気を使わなくても良い様に感じました。

 GV-USB3/HDはHDMI出力ポートによるパススルー出力に対応しています。

 GV-USB3/HDはパソコンの性能に依存するソフトエンコードとの事ですが、Core i7 8700KとGeForce GTX 1080を搭載したMiniITXフォームファクターの自作パソコンではソフト的な問題は起こりませんでした。

 GV-USB3/HDがキャプチャーできるフルHD 60fpsは今となっては平凡ですがフルHDの映像を扱う分には充分な性能です。
 以前使っていたAVerMedia Live Gamer HD Lite C985LはフルHD 30fpsでした。当時は30fpsでも充分と考えられていましたが、今となっては見劣りしてしまいます。
 少しでも遅延を小さくして、フルHD 60fpsでのキャプチャーを行ないたいとなるとAVerMedia Live Gamer HD Lite C985Lの上位機種で、PCI-E内蔵型では鉄板とされる、AVerMedia Live Gamer HD 2 C988が現在は最も有力な選択肢になるのだと思います。しかしながらAVerMedia Live Gamer HD 2 C988は、取り付ける事の出来るPCI-Eスロットが無いノートパソコンや、小型のPCデスクトップパソコンでは利用できません。

 GV-USB3/HDの総評は、フルHD60fpsのキャプチャーに対応するソフトエンコードタイブのHMDIキャプチャーデバイスとしては大きな欠点が見当たらず、性能上の問題も無く、性能に対する価格のバランスも良いので、積極的にお薦め出来ます。

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