レジンキャストキットの脱脂
ガレージキットの大半を占める、レジンキャストキットは、購入時の状態では必ず離型剤等の油分が付着しているので、そのまま塗装を行うと、塗料を弾いてしまい、正常に塗装が出来ない場合が殆どです。そうならない様にするのが脱脂です。
模型雑誌では安全性の問題からか、中性洗剤とクレンザーの使用が紹介されていますが、中性洗剤はプラモデルの脱脂には使えても、レジンキャストキットの表面に付着した油分を落とすのには、まるで効果がありません。クレンザーで磨く事で表面を細かく荒らせば塗装が定着し易くなりますが、これはヤスリ類で全体を磨くのと基本的には同じ事です。
手間の関係で自分は普段はやっていませんが、鍋でレジンパーツを茹でる事でも油分をある程度落とす事は可能です。内部の油分も有る程度落ちます。又、成型してから時間が経過していないキットの硬化を促すのにも効果があるので、やっておいて損は無い工程だとは思います。
基本的にシンナー類で落とすのが一番効果が高く、以前はレジンキャストパーツ専用品も出ていました。
レジンキャストパーツは一般的なプラモデルのパーツよりもシンナーに対する耐性が高く、パーツクリーナーやブレーキクリーナーを使う事が出来ます。
自分は以前から口の大きい缶に入れたラッカー薄め液を使っています。ラッカーシンナーは大抵の油分を分解するので、これで脱脂が出来なかった経験はありません。
洗浄したパーツはダイソーやセリアなどで購入したPP製のトレイにペーパーウエスやキムワイプを敷いた物に入れて乾燥させます。
洗浄に使う歯ブラシはシンナーに溶けないPP製であれば、何でも良いと思います。
シンナーに比較的強いレジンキャストパーツであっても、長時間シンナーに漬けると影響を受けるので、自分は、シンナーにパーツを漬けたらすぐに引き上げ、歯ブラシで全体を磨き、再度シンナーに漬け数秒濯いで引き上げ、シンナーを乾燥させています。
脱脂は、やすり掛けや仮組の作業中に付着した油分や削り粉を落とすのも兼ね、塗装直前に行っています。
ブレーキクリーナーやパーツクリーナー、ラッカーシンナー、何れも、通常のレジンパーツでは問題は起きないのですが、稀に、キャスト素材の硬化が不十分だったりしてシンナー類で脱脂したらパーツの表面がドロドロに溶けたりする事もあるので、予め目立たない部分でテストしておいた方が良いとは思います。
脱脂でシンナーを扱う場合は十分な換気と、防護にニトリル手袋や防毒マスク、防護眼鏡等を使うと良いと思います。
2024年1月追記
ラッカーシンナーを入れて保管するのは、蓋の出来る塗料用バケツも良いでしょう。
最近使っているニトリル手袋はショーワ ニトリスト・タッチです。
着脱し易く、単価も安くて気に入ってます。
シンナーの缶にパーツを付けたり、引き揚げたりするのに、27cmのピンセットを使い始めました。
魚等を飼う水槽で使う為に売られいる様ですが、大きいパーツから小さいパーツ迄しっかりと保持出来て、手袋へのシンナーの付着を減らせるので、とても便利です。
上の画像に写っている黒いグローブはブチルグローブと呼ばれるもので、耐油性が高いと言われていたので試したのですが、ラッカーシンナーには溶けてしまう様で、レジンキャストキットの脱脂には使い物になりませんでした。
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