ガレージキットの塗装方法
ガレージキットの大半を占めるレジンキャストキットの塗装方法について説明します。
塗装の前には、パーツ表面の付着した離型剤や、パーツ内部からしみ出して来たり、手や工具から付着した脂分を取り除く、離型剤落としや脱脂と呼ばれる作業を行います。
これを怠ると塗装をはじいたり、塗装できた後に塗装が剥がれたりするので、塗装の前には必ず行いましょう。
離型剤落としや脱脂に付いては別記事の「レジンキャストキットの脱脂」で紹介しているので、そちらを参考にして下さい。
塗装時には、各パーツに持ち手になる支持棒を取り付けます。
私は1mmと1.5mm、2mmの真鍮線を使っています。大部分は1mmで行い、大きいパーツは1.5mmや2mmと言う具合に使い分けています。
支持棒として真鍮線を使うのは、切断のしやすさと、曲がり難さや折れにくささが両立しているからです。
鉄やステンレスは切断がとても大変です。
アルミは切断し易いのですが、曲がりやすく、折れてしまう事もあります。
接着面など完成したら見えない部分にドリルで穴あけして、真鍮線を差し込んで取り付けます。
以前は大きなパーツには2.5mmや3mmの真鍮線を使う事もありました。
2.5mm以上の穴あけ加工は大変なので、1.5mmや2mmの真鍮線を複数使っています。
重量のあるパーツは真鍮線を軸にパーツが回転してしまう事がありますが、2本以上の真鍮線を取り付ければ、回転してしまうのを避けられます。
真鍮線の様な金属線ほプラモ用のニッパーで切断しようとすると、一回で刃が欠けるので、100円均一で売られている物でも良いので、専用の切断工具を使いましょう。
左から、ウエーブ HG金属線用ニッパー1.0、HG金属線用ニッパー2.0。
それぞれ1.0mmと2.0mmまでの真鍮線に対応。
ゴッドハンド メタルラインニッパー。
4,000円以上するので、模型用の金属線用ニッハーとしては高価な部類だが、2.0mmまでの真鍮線に対応しているので上の二種類に一つで代替可能です。
ハイキューパーツ 垂直ドリルガイド。
真鍮線を通す為の穴を垂直に空ける道具。
写真は2.0mm用
支持棒を取り付ける為の穴あけは、Waveのワンタッチピンバイスと、マキタの充電式ドライバドリルを使っています。
Waveのワンタッチピンバイスは六角タイプなので、普通のドリルを固定するピンバイスの様にドリルが滑って空回りする事がありません。
マキタのドリルドライバーはトルクもパワーもリューターに比べて段違いなものの、充電ドリルドライバーとしては小型です。
小さかったり、形状の問題で支持棒が取り付けられない場合は、何かしらの持ち手に両面テープを使ってマスキングテープを貼り、そこに塗装するパーツを貼り付けます。
両面テープはマスキングテープよりも粘着性が高く、テープの糊が残ってしまう事もあるので、塗装の時には、パーツを両面テープで止めるのは避けた方が良いです。
プラモデル用として売られている既製品の持ち手を使うのも良いでしょう。
上の写真は「ミネシマ 塗装クリップ 10本入 ホビー用ツール TM-40」です。
持ち手部分は金属製で重いパーツに対応していて、クリップにはゴムが取り付けられていてパーツを傷つけ難くなっています。
支持棒を置くのには「Mr.ペイントステーション」を使っています。
レジンキャストキットのパーツは重い物が多いので、Mr.ペイントステーションの底面には鉛シートがシールになった「光 純鉛 貼るだけ50mm×1m KGZ-51 1枚入」をハサミで切り出して張り付けています。
表面の油分を取り除く脱脂作業を行った後は、模型用塗料で直接色を塗る事も可能なのですが、レジンキャストキットの大半を占めるウレタン樹脂は、模型用塗料との相性が悪いので、十分に脱脂しても、塗料が弾かれたり、乾燥後に剥離する場合があります。それを防ぐために下地塗装を行いましょう。
市販の模型用サーフェイサーはプラモデル用なので、レジンキャットの場合は、マルチプライマーと呼ばれる塗料接着剤を塗布すると良いです。
私の場合は缶スプレータイプはミッチャクロンマルチ、エアーブラシではフィニッシャーズのマルチプライマーを使っています。
他の銘柄も色々使ったのですが、この二つが性能的に優れていました。
ミッチャクロンマルチは缶スプレーで手軽なので良く使っていますが、乾燥後も粘り気があるのと垂れやすい難点があります。フィニッシャーズのマルチプライマーはエアーブラシでなければ塗布出来ないと言う難点を除けば、自分の使っている範囲では、全ての点でミッチャクロンより優れています。
缶スプレータイプのフィニッシャーズマルチプライマーの登場を切望します(ジェネリックイージーペインターで解決しました)。
プライマーを塗布した後、埃が付かない様に、又、付着しても研き落とせる様に、すぐにラッカー系のクリアー塗料や、ホワイトサーフェイサーを塗布します。
白や薄いアイボリーのレジンだと、ラッカー系のクリアー塗料で下地塗装を行うと肌色の発色が良くなるので、肌色を含むパーツはラッカー系塗料、Mr.スーパークリアー半光沢で下地塗装していますが、好みの問題なので、色を塗る方法や好みに応じ、全てホワイトサーフェイサーやグレーサーフェイサーで下地塗装しても問題は有りません。
下地塗装が終れば、後はは普通のプラモデル同様、模型用塗料で塗装が出来るので、好みの塗料と手法で塗装しましょう。
自分の場合は大部分を各メーカーのラッカー塗料をエアーブラシで塗り、細かい部分は、タミヤやハンブロールのエナメル塗料の筆塗りです。
上は模型用塗料の一例。
左からMr.カラー、Mr.カラーGX、ガイアカラー。
何れもラッカー系塗料。
模型用ラッカー塗料。キャラクター用肌色ラキウス。
ラッカー塗料用溶剤、Mr.カラー薄め液。
容器には専用の注ぎキャップを取り付けています。
以前模型向けに売られていたアズワンのハンドラップに入れたエナメル溶剤として使っている、ウインザー&ニュートン アーチストホワイトトスピリット
エアーブラシに付いては別の機会に紹介したいと思います。
缶スプレーやエアーブラシでスプレー塗装したり、有機溶剤を使う場合は、防毒マスクを装着しましょう。
上の写真はアマゾンで購入した「3M 防毒マスク 半面形面体 6000 ミディアム 国家検定合格品 6000M & 吸収缶 デュアルタイプ 有機ガス用 6001【セット買い】」です。
ラッカー塗料やエナメル塗料は揮発性の有機溶剤が使われているので、乾燥するまでは換気が必要です。
アクリジョンやシタデルと言った性能の良い、有機溶剤を含まない水性塗料もあり、それらで筆塗する場合だと小学校や中学校で使う絵具と同じ様に使えます。
水性塗料の中にはラッカーシンナーやエナメルシンナーとは異なる揮発性の有機溶剤を含む場合がありますし、エアブラシで塗装する場合、換気やマスクが無ければ霧状の塗料を吸い込んでしまうので、何れにしても塗装は換気が可能な場所でマスクを装着して行う方が良いでしょう。
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