EOS 6D 11年前のフルサイズデジカメを試した

 どうも、Nimbusです。
 今回は中古品のEOS 6Dを試用したちょっとしたレビュー記事です。

 上の写真はEOS 6DにキヤノンレンズEF100mm F2.8 マクロ USMを取り付けた様子です。

 普段使っているEOS Kiss X10iX9iと比べて、フルサイズ(フルフレームとも呼ばれる)センサーを搭載した機種だとどんな感じに撮影できるのか試して見たかったので、届いて使ってみてから気に入ればそのまま収め、気に入らなければ返品しても良い条件の中古EOS 6Dを通販で取り寄せました。

 キヤノンカメラミュージアムのEOS 6Dの記事によるとEOS 6Dは2012年11月に発売された、この記事を執筆している2023年10月現在からおおよそ11年前、普段使っているEOS Kiss X9iとは5年、EOS Kiss X10iとは8年早く出た製品です。

 EOS 6Dが登場した当時は、フルサイズセンサーを備えたデジタルカメラとしては最廉価、最軽量だった様です。
 フルサイズでは最廉価と言っても同時期のEOS Kiss シリーズは元よりEOS 60Dよりも更に高価で、発売時はレンズが付かないEOS 6Dボディ単体で18万円程度した様です。

 EOS 6Dの中古価格は、実用に耐える安い物なら4万円弱から、新品同様の美品なら6万円程度から購入が可能な様です。

 キャノンのWebサイトによるとEOS 6Dは2025年9月まで修理対応を行う事になっているので、そこから逆算すると後継機で現行製品でもあるEOS 6D MarkⅡが発売された2017年8月頃に生産終了と、発売は11年前でも、6年位前までは量販店などで新品購入できた製品の様です。

 2017年4月に発売開始されたEOS Kiss X9iEOS 6Dは同時期に販売されていた製品となる様です。

 発売時の生産のみで終わる事もあるデジタル製品の中では、EOS 6DやEOS 6D MarkⅡは比較的長い期間生産されているシリーズの様です。

 EOS 6DEOS Kiss X9iとの外観比較です。

 EOS 6Dは発売当時、フルサイズセンサー搭載機としては最小、最軽量とされています。

 写真では大きさの違いは小さい様に感じられるかもしれませんが、EOS 6Dを実際に持った感じではEOS Kiss X9iやX10iと比べてかなりの大きさに感じます。

 EOS 6Dの電源スイッチやモードスイッチは左肩にあります。

 EOS Rも同様だったので、キヤノンのフルサイズ機では伝統的な配置なのかもしれません。

 左手での操作する電源スイッチやモードダイヤルは、右利きの私には使い難く感じました。

 EOS 6Dのライブビュー撮影時の操作は、液晶タッチ入力でのピント位置が指定出来ない物の、EOS Kiss X9iとあまり変わりませんでした。

 電子水準器の表示が出来るのもEOS Kiss X9iやX10iと同じです。

 マニュアル撮影設定時はF値とシャッタースピードが異なるダイヤルで設定できるのがEOS Kiss X9iEOS 6Dとの大きな違いです。

 EOS Kiss X9iでは電子ダイヤルが一つしかないので、Mモードで絞り値を操作するには、他のボタンを押しながら電子ダイヤルを操作したり、メニュー画面で設定する必要があります。

 EOS 6Dでは人差し指側の電子ダイヤルでシャッタースピードを、親指側の電子ダイヤルで絞り値が設定できます。

 EOS 6Dと同じ様に電子ダイヤルを二つ備えるEOS Kiss X10iではEOS 6Dと同様の操作が可能となっています。

 EOS 6Dでは液晶タッチ入力が出来ず、ピント位置が指定や、Wifiの設定時にパスワードを入力する際に、カーソル移動で入力するしかないのは、EOS Kiss X9iと比較するとかなり不便に感じました。

 EOS 6DEOS Kiss X9iのセンサーサイズの比較写真。

 35mmフィルムの撮像面と同じ大きさのEOS 6Dのフルサイズセンサーは、EOS Kiss X9iの画像センサー(APSフィルムの撮像面に近い大きさからAPS-Cと称される。フルサイズと異なりAPS-Cのセンサーサイズは製品ごとに微妙に異なる。)と比較すると、縦横の幅がおおよそ1.6倍近く大きいので、同じ画素数なら素子一つ当たりの面積も広くなり、受ける光の量が多くなり、色の再現性が高くなり、高感度撮影時ではノイズが少なくなると言われています。

 フルサイズセンサー搭載機は、EOS 1DXEOS Rを軽く試した事はあるものの、RAWデータ撮影などは試していなかったので、EOS 6DはRAWデータの撮影を試してみました。

 キューズQ 1/7 伊藤乃絵美 ver.2グッドスマイルレーシング 1/8 レーシングミク2011ver.共に、グレーカードを撮影した画像で設定したマニュアルホワイトバランスでの画像比較です。
 左がEOS 6DEF100mm F2.8 マクロ USM、右がEOS Kiss X10iEF50mm F2.5 コンパクトマクロで撮影しました。

 上のキューズQ 1/7 伊藤乃絵美 ver.2の写真も左はEOS 6DEF100mm F2.8 マクロ USM、右はEOS Kiss X10iEF50mm F2.5 コンパクトマクロで撮影しました。
 オートホワイトバランスで撮影した画像を参考に、ホワイトバランスを色温度 5000Kに設定した上でホワイトバランス調整を行いました。

 上のちょびるめフィギュア 二年生 せつ菜の写真は左はEOS6DEF50mm F2.5 コンパクトマクロ、右はEOS Kiss X10iEF-S 17-55mm F2.8 IS USMで撮影しました。

 撮影環境は異なりますが、伊藤乃絵美同様に、オートホワイトバランスで撮影した画像を参考に、ホワイトバランスを色温度 5000Kに設定してホワイトバランス調整を行いました。

 EOS 6DEOS Kiss X10iと比較すると一段近く暗く写る様で、優木せつ菜の撮影時はEOS Kiss X10iがISO1600 シャッタースピード1/40秒で撮影したのに対して、EOS 6DではISO 3200 シャッタースピード1/50秒で撮影しました。

 フィギュアや模型の様な静物撮影でも三脚が使えないイベント会場での撮影だと高感度時のノイズの少なさは非常に役に立ちます。

 一方て自宅やスタジオなどでカメラを三脚で固定して、低感度スローシャッターで撮影する場合は高感度でのノイズの少なさは必要な要素ではなくなるので、今回はEOS 6Dの高感度撮影は行いませんでした。

 フルサイズセンサーは高感度時のノイズ耐性が比較的高いものの、EOS 6Dの出荷時設定ではカメラ内で生成されるJPEGデータはノイズ低減処理が行われています。
 EOS Kiss X10iEOS Kiss X9iでも同様に、カメラ内でのノイズ低減機能や、現像ソフトのノイズ低減機能を使えば、自然なノイズ低減が可能です。

 上の画像はEOS Kiss X10iを使いISO 6400の高感度で撮影したRAWデータを現像ソフトで強めにノイズ低減処理を行った際の比較画像です。
 左がノイズ処理前で、右がノイズ処理後です。

 EOS 6Dで撮影した写真をまとめて掲載しておきます。

 カメラで生成したJPEGデータをWindows 10のフォトで表示して、BandicamでキャプチャーしたJPEG画像です。

 被写体が大きいのは右クリックで「実際のサイズ」で表示した物。中くらいなのは適当なサイズに縮小した物、最後は写真全体です。
 ブログの仕様上、自動的にリサイズされてしまいます。

 優木せつ菜を編集している際に、前髪の真中に紫色のホットピクセルがあったのを見つけました。

 EOS 6DはWifi機能を初めて内蔵した機種だそうで、対応する最上位規格はIEEE802.11n。EOS Kiss X10iEOS R、EOS RP、EOS R6、EOS R8と同様にIEEE802.11nに対応しています。

 EOS 6DではEOS Kiss X9iと色合いは異なる物の、同じ様なWifi設定画面が表示されます。

 通信規格は同じでも、無線Wfifでリモートライブビューを使用した時の反応速度や撮影データの転送速度は機種によって違う様でEOS 6DEOS Kiss X10iX9iとでは使い勝手にかなりの差があり、EOS 6DEOS Kiss X10iX9iと比較すると、反応が鈍く、AF時には同じレンズでもピントが迷う事が有りピントが合うまでにかなりの時間が掛かる事がありました。

 Wifiのアクセスポイントを今まで使っていたロジテックLAN-W150N/RSPからTP-Link TL-WR841Nに変更して、Wifiが比較的安定して、距離が少し離れた場所でもカメラからアクセスポイントが見つかる様になっても、EOS 6Dの動作の鈍さは変わりませんでした。

 今回試したEOS 6Dに何かしらの不具合があったのか、EOS 6Dが元々そう言う性能の機種なのかは分かりません。

 EOS 6Dの描写性能は素晴らしく、2023年現在の中古相場の価格を考えると、同じ様な金額を出してEOS 6Dよりも良い画質の良い機種を買うのは難しいと思いました。
 EOS Kiss X10iと比較しても、EOS 6Dの方が画質が良い事が多いと思います。

 EOS 6Dの使い勝手はEOS Kiss X10iと比較すると明確に劣り、デジタル製品の8年の差が出た感じです。

 フルサイズセンサーを備えたEOS 6Dの写りがEOS Kiss X10iと大きく異なるのであればフルサイズ用のレンズを購入して作品撮影用として使いたいと考えていたのですが、私にとってのEOS 6Dの画質は、カメラ本体より高いレンズを買ったり、EOS kiss X10iの操作性や利便性と引き換えにする程までの物ではありませんでした。

 今回届いたEOS 6Dは、液晶画面のガラス面が派手に割れていて、ファインダーにも多数のチリの混入が見受けられ、描写ではホットスポットが確認されると言った具合に難点が多く、「是非使い続けたい」とは思えなかったので返品しました。

 フルサイズセンサーを備えたデジタルカメラを次に試す機会が何時になるか分かりませんが、EOS Rコントロールリングマウントアダプターを介して画素数が少なくなるEF-Sレンズを使った撮影でも印象が良かったので、フルサイズのEOS Rシリーズを試してみたいと考えています。

 フルサイズセンサーを搭載したデジタルカメラの導入の導入には、カメラ本体以外にも、レンズの問題があります。

 私が普段から使っているEF 50mm F2.5 コンパクトマクロとEF 100mm F2 マクロ USMでは焦点距離の違いが大きく、フルサイズセンサーを搭載したデジタルカメラを活用するには、中間的な焦点距離の単焦点レンズか、ズームレンズが必要となります。

 EOS Kissシリーズや現行製品がEOS 90DとなるEOS 2桁Dシリーズ、EOS 7Dシリーズと言ったAPS-Cサイズのセンサーを備えたEF-Sマウント機はEFレンズが取り付けられる一方で、フルサイズ一眼レフのミラーがEF-Sマウントのレンズと干渉する可能性があるので、フルサイズ用のEFマウントはEF-Sレンズが取り付けられない形状になっています。

 シグマやタムロンなどから販売されているAPS-Cセンサー搭載のEF-Sマウント機向けの社外品レンズの多くはEFマウントなのでフルサイズのカメラに取り付けて撮影する事は可能ですが、イメージサークルはフルサイズを満たさないので適しません。

 EOS RシリーズのRFマウントではマウントアダプターでEFレンズと共にEF-Sレンズを取り付けて正常に使う事が可能です。
 フルサイズセンサーを備えたRFマウント機にマウントアダプターを介してEF-Sレンズを取り付けると、APS-Cと同じ範囲のセンサーしか使えなくなるので、例えばEOS RPだと1000万画素程度、EOS Rだと1160万画素程度と画素数が少なくなります。
 フルサイズセンサーの性能を活用するにはフルサイズ用のレンズを使う必要があります。

 フルサイズセンサーを備えたEFマウント機は、フルサイズ用のEFレンズのみにしか対応してないので、EF 50mm F2.5マクロやEF100mm F2 マクロ USMの様にEFレンズの中には程度の良い中古品が安価で沢山流通している製品もありますが、性能の良いEFレンズは中古品でも高価なのが普通です。

まとめ

 2012年11月に発売されたEOS 6Dの画質は、2023年10月現在でもかなり良い。

 EOS 6Dの操作性や利便性は当時なりなので、現行製品と比べると見劣りする。

 EOS Kiss X10iの画質はフルサイズセンサーを搭載したEOS 6Dと比較すれば及ばない物の、画像補正を行なえば高水準の画質を得られる。

 EF-SマウントカメラにEFレンズは使えるが、EFマウントカメラにはEF-Sレンズは使えない。

 ミラーレスのRFマウントカメラはマウントアダプターを使えばEFレンズとEF-Sレンズが使える。

 フルサイズRFマウントカメラでEF-Sレンズを使うと画像の解像度が大きく落ちる。

 フルサイズセンサーに対応したEFレンズは一部を除いて高価。

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