自作電動スライダーのモータードライバーをTMC2209搭載品にした

 どうもNimbusです。

 「撮影用 電動スライダーを自作した」や「撮影用 自作 電動スライダー 製作解説」で紹介した、自作の電動カメラスライダーの改良を紹介する記事です。

 ステッピングモーターを使った自作電動カメラスライダー は1分くらい連続運転を続けると、モーターが小刻みに止まる症状がありました。

 一眼レフカメラを垂直に持ち上げる為に、コントローラーに内蔵するTMC2208搭載―モータードライバーのステッピングモーターのトルク設定を上限近くまで上げて使っています。
 トルクを上げたモータードライバーの発熱は大きい様で、4cmファンでは十分に冷却しきれない様で、連続してカメラスライダーを動作させようとすると、1分くらいで止まり始める症状が出て来ます。その時点でモータードライバーのヒートシンクを触ろうとすると火傷しそうなくらい発熱していました。
  TMC2208には、パソコンに使われているCPUのサーマルスロットリング機能と同じ様に、熱による回路の故障を防ぐための安全装置が内蔵されているそうなので、安全装置が働いた結果、モーターが止まるのだと思われます。

 参考にしたYoutube動画や、動画の概要欄で紹介されているWebサイトで使われている、撮影機材の、EOS Kiss MとEF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STMの組合せは520gくらいなので、トルクを適切に調整した場合、モータードライバーはそれ程発熱しないのだと思います。

 フィギュアの撮影に電動スライダーを使う使う場合、連続だとせいぜい30秒位しか使わないので、休憩を挟み、冷却しながらなら十分使えるのですが、撮影の幅が狭まり不便ではあるので、対策にモータードライバーをTMC2208を搭載する物から発熱の小さいとされるTMC2209を搭載する物に交換してみました。

 購入したTMC2209搭載モータードライバーがこちら。
 今まで使っていたTMC2208搭載モータードライバーと同じBIG TREE TECHと言うブランドの製品です。
 TMC2209搭載モータードライバーの価格はTMC2208搭載モータードライバーに対して3割程度割高でした。

 リビジョンはV1.2となっていますが、他のブランドが販売ているTMC2209搭載モータードライバーのV2.0やV3.0との違いは分かりません。

TMC2209とTMC2208の違い

 TMC2208搭載モータードライバーと比較したTMC2209搭載モータードライバーの特徴は以下の通りです。

■ 寸法や入出力のピン配列はTMC2208搭載モータードライバーと同じ。

■ 定格、最大共に電流量(「アンペア数」や「A」と表記される事が多い。)がTMC2208搭載モータードライバーから向上。

■ TMC2208搭載モータードライバーより発熱が小さくなった。

 謳い文句通りであればTMC2209搭載モータードライバーTMC2208搭載モータードライバーの上位互換の様です。

TMC2209搭載モータードライバーをスライダーのコントローラーに搭載

 TMC2209搭載モータードライバーをスライダーのコントローラーに搭載しました。

 定格、最大共に電流量が向上しているので、トルクの向上を期待したていましたが、出荷状態ではTMC2208搭載モータードライバーと同様に、垂直用スライダーに取り付けた一眼レフカメラを持ち上げようとするとステッピングモーターが脱調するので、トルク調整が必要でした。

 TMC2209のトルクを、EOS Kiss X10iEF-S 18-135mm F3.5-5.8 IS USM、ベルボンの自由雲台、アルカスイス互換プレートの組合せを垂直用のスライダーで問題無く持ち上げられる様に調整してから、連続動作によるテストでは止まる様子はなく、触った感じの発熱はTMC2208搭載モータードライバーより明らかに減っていました。

 モータードライバーをTMC2209搭載品に交換した事により連続運転できない問題は解消しました。

まとめ

 モータードライバーをTMC2208搭載品からTMC2209搭載品への交換により、電動スライダーの連続運転が可能となった結果には満足しています。
 TMC2208搭載モータードライバーで問題無く利用できているのであれば、態々交換する必要はないとは思いますが、発熱を抑えたいとか、新しく3Dプリンターや電動スライダーを作る場合、TMC2209搭載モータードライバーを使うと良いと思います。

 TMC2209搭載モータードライバーを使った事で、NEMA17の規格上限いっぱいの性能を引き出せたはずですが、写真の様に、EF-S 18-135mm F3.5-5.8 IS USMに電動ズームユニットPZ-E1を取り付けたり、FeelWorld FW568(カメラ用液晶ディスプレイ)を取り付けたり、それらに耐えられる大きな自由雲台を取り付けたりと、重量がかさむ場合はNEMA23ステッピングモーターと対応するモータードライバー安定化電源又はACアダプターの組合せを使うべきでしょう。

 EOS 1DXや5D、6Dシリーズ、EOS Rシリーズの様に、フルサイズセンサー搭載した比較的大きなカメラの為に電動スライダーを自作する場合は、NEMA23ステッピングモーターを使う事をお勧めします。

1件のピンバック

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です