自作ゼロクロススイッチ

真空脱泡機向けにゼロクロススイッチを安価に自作しました。
オーディオ用に以前良く売られていた物と機能的には同じものです。

自作真空脱泡機のコントロールボックスに内蔵しているM5Stackの拡張I/Oユニットが真空ポンプの動作時に機能しなくなる事が偶にあります。
真空ポンプの始動時に発生する電磁ノイズ(コンセントに繋ぐ掃除機を使った時にスピーカーにノイズが乗るのと同じ現象。)が一番疑わしいので、拡張I/Oユニットの配線にアルミホイルを巻く等のノイズ対策を行なった所、頻度は下がった物の、たまに拡張I/Oユニットが機能しなくなる事はありました。
色々調べてみた所、ゼロクロススイッチを用いれば、真空ポンプの始動時の電磁ノイズが発生しなくなるのを知りました。


コントロールボックスに組み込む場合、M5Stackとロッカースイッチの2チャンネルが必要なので、2チャンネルタイプのArduino向けに売られている、DC5Vで動作する、ゼロクロス対応、ソリッドステートリレーを、アマゾンでを注文しました。


注文したリレー部品は中国からの発送品だったので、中国の税関を中々通過できず、予定日を一週間くらい超過してから届きました。

届いたリレー部品を、真空脱泡機のコントロールボックスに組み込む前に、仕様を確認していたら、対応する電流の上限は2Aでした。

真空脱泡機に使っている真空ポンプ、エドワーズ RV12の最大消費電力は0.55KW(550W)です。
単純計算では、100V時には5.5Aの電流が流れる事を意味するので、2Aでは容量は全く足りません。
余裕を考えると、10A以上にに対応する、ソリッドステートリレーが必要です。

手元にあった40A対応のソリッドステートリレーは大きいので、これをコントロールボックスに2つ内蔵するのは無理そうです。

オムロンの10Aまで対応するDC5Vで動作するソリッドステートリレーなら内蔵できそうなので、こちらの購入を軸に検討していました。

色々検討していた所、オーディオ用に売られている、ゼロクロススイッチ機能を内蔵したコンセントタップを、コントロールボックスと真空ポンプの間に入れれば、良い良い事に気付きました。
家庭用ゼロクロススイッチをネットで調べてみた所、2021年12月時点では、商品ジャンルとしては絶滅状態で、中古品もかなり選択肢が限られる状態でした。
家庭用電源で買えるゼロクロススイッチの中古品が安く手に入れば、手っ取り早かったのですが、そう上手くは行きませんでした。

ゼロクロススイッチ内蔵コンセントタップと機能的には同じ物が、自宅にある部品で自作できそうだったので、試作してみました。
ソリッドステートリレーの他には、延長コードを自作する為のコンセントと配線一式、、ダイソーで購入したUSB ACアダプター、USBケーブルとなります。
同じ物を新品で購入しても2,000円位だと思います。
AC100Vの電源を投入すると、USB ACアダプターのDC5Vでゼロクロス対応のソリッドステートリレーを動作させる仕組みとなります。
USB ACアダプターの電圧が十分に上がるまでに多少ラグがある為、リレーのゼロクロス機能は確実にする筈です。
AC100VからDC5Vを取り出すのには、安く、小型で、故障してもすぐに交換品が用意出来る、USB用のACアダプターが一番合理的ですね。
USB用のACアダプターはコントロールボックスに搭載した、M5Stackやサーマルプリンターの電源にも使っています。
オーディオ用のゼロクスロススイッチだと、もう少し複雑な回路で、部品も良い物を使っていると思うのですが、自己責任で真空脱泡機の真空ポンプに使う分には、今回製作した物で充分でしょう。

テストした範囲ではM5Stackの拡張I/Oユニットの動作不良は起きていません。
ただ、ゼロクロススイッチ導入前から、対策により、動作不良の頻度は低くなっていたので、動作不良が出ていないのは、テストした範囲では偶々そうだっただけかも知れないので、ゼロクロススイッチの恩恵が体感できる迄には至っていません。
ゼロクロススイッチはお守りや願掛けみたいな状態です。

コンセントタップをエレコムの二股ケーブルに交換して、配線をすっきりさせました。
適当な大きさのケースに収めて、完成としたいと思います。
家庭用のゼロクロススイッチは絶滅状態ですが、掃除機や家庭用電源で動作する電動工具の電磁ノイズも抑制できるので、応用範囲は広いと思います。
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