自作真空脱泡機を改良した

 去年(2020年)自作した真空脱泡機は、デジタル真空計のアナログ出力から圧力をArduino Unoで取得して、それに応じて真空ポンプや電磁弁を制御を行っています。

 使用しているデジタル真空計、SMC ZSE-30Aは、-96KPaを過ぎたあたりでアナログ入力の上限に達してしまいます。
 デジタル真空計のアナログ出力が上限に達してから数秒で-100KPaになるので、真空脱泡時間のカウントダウンを少し伸ばす事で調整していました。
 -96KPaから-100KPaに到達するまでの時間は容積によって多少変わってしまいまうので、-100KPaを超えてからの時間も多少変わってしまいます。
 レジンキャスト複製では数秒程度の差は問題にならず実用上の支障は無いものの、精神衛生上良くありません。
 なので、-96KPaを超える設定圧力をArduino Unoで取得できる様に改良しました。

 まず最初に考えたのは、デジタル真空計のアナログ出力の範囲を調整する事でしたが、デジタル真空計、ZSE-30Aの取扱説明書にはその記述が無く、任意の調整は出来ない様でした。
 取扱説明書を読み込むと、アナログ出力と、設定した圧力でDC24Vの電気信号を流すスイッチ1系統が併用できるみたいなので、スイッチ入力ならアナログ入力の範囲を超える真空度で制御できるのではないかと考えました。

 デジタル真空計のDC24Vの電気信号は、Arduino Unoに直接伝える事は出来ません。DC24VをDC5Vに降圧するか、スイッチの動作を何かしらの方法でArduinoで検出するかしないとなりませんでした。

 DC24VをDC5Vに降圧する方法は、アマゾンで売られている25Vまで対応する電圧センサーを使う事を思いつきました。
電圧センサーは、Arduinoのアナログ出力とアナログ入力の動作を確認するテストに用いられるものと同じでで、Arduino Unoのアナログ出力は問題無く変動を検出出来たのですが、デジタル真空計のDC24Vスイッチ信号に適用してみた所、スイッチが入っていなくても5Vと検出されて、意図通りに機能しませんでした。
 何か間違いがあるのかも知れませんが、理由は分かりませんでした。

 仕方ないので他の手段を講じる事にしました。

 動作確認に使っていた、DC24Vで点灯する様に、抵抗を取り付けたLEDの光を、光センサーで検出するのを思い付き、Arudinoスターターキットのフォトレジスターを使い、LEDの点灯をArduino Unoで検出できる様にしてみました。

 回路は「おもしろ家 Arduino 入門 Lesson 22 【フォトレジスタ編】 其の1」に掲載されていた物を参考にしました。

 写真は仮配線でテストしている様子です。

 この回路では、フォトレジスターが光受けると、アナログ入力での電圧が5Vから3.5V程度に低下するので、それをトリガーにカウントダウンを開始する様にArduino IDEのスケッチを作りました。

 スイッチの動作条件はデジタル真空計側で任意に設定できるので、-100KPaに設定して試した所、すんなりと、思惑通りに動作しました。

 使用しているSMC ZSE-30Aは2020年12月に生産終了していて、現行品だとZSE-20Aになるみたいです。ZSE-20Aはスイッチ出力2系統+アナログ出力と言う構成で、流通価格も変わらないので、ZSE-30AとZSE-20Aとでは、スイッチとアナログ出力の配線が異なるので配線の変更は必要ですが、問題無く使えそうです。

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