様々なドリル

 レジンキャスト製のガレージキットで、PVC完成品の様な、差し込みだけで組み立てられるくらい深いダボを作ると、シリコーン型がすぐに破損してしまうので、レジンキャストキットのダボは、あっても目印程度の役割が普通で、組立時には、真鍮線かアルミ線等の金属線で差し込みと接着で組み立てるのが一般的です。

 こんな具合に差し込み軸を深くすると、接着無しでも組立られる様になります。
 又、塗装用の支持棒の差し込み穴を開けるのにもドリルを使います。

 今回取り上げるのはガレージキットを組み立てる時や、塗装用の支持棒の差し込み穴を開けるのに必要になる、ドリルです。

 模型用途に一般的に使われているのはピンバイスだと思います。

 ピン状の細いドリルを把握するバイスなので、ピンバイスと呼ばれている様です。

 私は ウエーブHGワンタッチピンバイスを愛用しています。

 以前は一番下のタミヤの精密ピンバイス様な、コレットチャック式の物しか売ってかったので、それを使っていたのですが、基本的にプラモデル用なので、レジンキャストキットやアクリルベースに対しては把握力が足りず、ドリルが空回りする事が多く、その度にベンチを使って増し締めしていました。その手間が結構気になっていたので、構造的に空回りしない、六角シャンクタイプのウエーブHGワンタッチピンバイスセットが登場した時にすぐに購入しました。
 目論見通りドリルの空回りがなくなり穴開けが快適になりました。

 専用ドリル刃は0.1mm単位で発売されているので、他のピンバイスは使わなくなりました。

 イベント等で売られている、レジンキャストキット製作だけなら、ウエーブのHGワンタッチピンバイスセットと、0.5mm1.5mmのドリル刃だけで十分だと思います。

 光造形機のレジンやベースに使われるアクリルは固く、切削性の良いレジンキットでもパーツ数がそこそこあると、手回しドリルでは穴開け作業だけで丸一日掛かるなんて事もあるので、キット製作、原型製作、共に、私は電動ドリルを使っています。

 主に使っているのはアマゾンで購入したマキタの10.8Vドリルドライバーです。
 バッテリーが2つとハードケースが付属する物も有ります。

 インパクトドライバー等で使われている6.35mmの六角軸をワンタッチで取り付けるタ
イプです。
 同じ様な価格帯でコレットチャックタイプも販売されています。

 使用するドリル径は全て6角軸の物が流通しているので、コレットチャックでなくても良かったのと、10.8Vで、無段階調整が出来る、国内メーカーのドリルドライバーとしては、これが最小だったので購入しました。

 充電式と言う欠点はありますが、リューターとは比較にならないトルクで、光造形機の出力品やアクリルで難なく穴開け出来ます。電池も結構持つので、展示見本を作る際に電池切れで困ると言う事は経験がありません。

 欠点は、最小、最軽量とは言え、それなりに重量があるので、ドリルビットを付けたまま倒してドリルをダメにする事が事が少なくない事と、LEDライトがウザい事の二点です。
 LEDライトはドリルの回転と連動する物なのですが、非点灯に出来るスイッチが欲しいです。

  同じくらいの性能、サイズで、コードタイプならもっと良かったとは思いますが。 充電容量が十分にあるので、充電式である事は今の所は欠点に感じていません。

 6.35mm六角軸のコレットチャックを使えば一般的なドリルも使えます。
 軸精度は落ちますが、一般的な穴開けでは特に問題は有りません。

 6.35mmの六角ビットを使う物でも、インパクトドライバーは打撃で穴がいびつになり易いので、模型用途には向いていません。
 穴開け用にはドリルドライバーを推奨します。

 リューターはアルゴファイルの最上位モデル、エコグランデGES800STを使っています。
 リューターとしては高トルクで、性能は申し分ないのですが、ドリルを使う場合はマキタの10.8Vのドリルドライバーに比べると性能は劣ります。

 安価なドリルビットは掘れる穴の深さに制約があるのと、長いドリルビットは割高なので、リューターを穴開け用の電動ドリルとして使う事はなくなりました。

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 リューターに対応するコレットチャックを使えば、一般的なドリルが使用可能です。
 エコグランデのパワーパックにも対応する、ボークスのビルドマスターEVOのハンドピースに取り付けています。

 コレクトチャックは3mm軸なので、2.35mm専用のエコグランデ付属のハンドピースには使えません。
 2.3mm軸のコレットチャックもあるので、そちらならエコグランデ付属のハンドピースでも使えるかも知れません。

 こちらは以前も紹介した小型卓上ボール盤ホーザンK-21デスクドリル
 プロクソン テーブルドリルの同等品です。

 ホーザンのデスクドリル、プロクソンのテーブルドリル、共に、性能は同じだと思うので、値段や入手性、好みで選ぶと良いと思います。

 マキタのドリルドライバーで使っている、6.35mmのビットが使えるので、アクリルベースの穴開けと、マキタのドリルドライバーでは穴あけし辛い場合に使っています。

 K-21よりも安いボール盤はあるものの、模型用途に適した小型軽量で国内流通品となると、これしか選択肢が事実上ありません。
 2万円程度の価格がネックで、今年になって漸く購入しましたが、利便性を考えるともっと早くから導入しても良かったと思っています。

 以上が私が模型用使っているドリルです。
 イベントで販売されているレジンキャストキットを作るとか、エポキシパテやファンドで原型を作る用途であれば、 ウエーブHGワンタッチピンバイスセット0.5mm1.5mmのドリル刃だけで十分にこなせると思いますが、マキタの充電ドリルの様な電動工具があれば、より快適に穴開け作業が出来ると思います。
 光造形機の出力品やアクリルはピンバイスで穴開けが出来ない事は無いですが、あまりにも時間と労力がかかるので、電動工具の使用を強くお勧めします。